地域別事例紹介

九州、沖縄               

 

   

●浜を元気にする人

沖縄市漁業協同組合    
NPO法人INO 代表 柳田 一平さん
  副理事長 井口 勝さん
  理事 内村 真之さん
  理事 富川 信さん
    柳田 光子さん

NPO法人INOが元気な理由
1 .資金を調達し、自分たち”海人”にできる活動を行う
2 .エコでも、環境保護団体でもない、漁業持続のための活動を行う

▼里海復活のため漁業者自ら立ち上げたNPO法人
  沖縄市は沖縄本島の中央に位置し、沖縄最大の中城湾に面しています。沖縄市漁業協同組合では102名の組合員がパヤオ(浮魚礁)漁業を中心に、ソデイカ漁業、潜水器漁業を営んでいます。組合員の一人にNPO法人INO(イノー)の代表 柳田一平さんがいます。柳田さんは潜水器漁業、モズクの養殖、サンゴの養殖を行っています。柳田さんは14年前23歳の時に沖縄に来ました。巡りあった地元のベテラン漁師さんを師匠と仰ぎ漁業のイロハを教えてもらいました。そのとき師匠から聞いた沖縄の海の豊かさ、美しさが柳田さんのNPO法人を立ち上げる原動力となったのです。(「この海でずっと仕事がしたい!」)柳田さんが漁業を始めてからたった10年間でも、魚は小さくなり、少なくなっていくのが分かりました。水中で前が見えないくらい生い茂っていた天然のもずくも激減し、埋め立てや赤土汚染などにより海が汚れていきました。「これではいかん!」。同じ思いを抱いた漁協の仲間たち、海洋コンサルタント、学識経験者、カメラマンなどが集まって、平成22年NPO法人INOが設立されました。昔の海の輝きを再現するのは無理かも?しかし、“まずはやってみる”を合言葉にメンバーは活動を開始しました。 法人設立作業中に銀行の助成金事業を受けることができました。海上・海中の清掃事業です。メンバーのほか漁協の組合員計10名で自分たちの漁場でもある沖合の防波堤のゴミ清掃を行いました。漁場の清掃は漁業者にとってとても気になることですが、忙しいのと費用がかかるのでなかなかできません。気になっていた仕事ができた仲間たちの顔はみな誇らしげでした。以来、助成金を利用した活動が続けられています。


▼現在の“海人”たちの活動
 NPO法人INOの活動は、エコでも、環境保護団体でもありません。沖縄の漁業を守り、続けていくための活動です。①平均60年以上の漁業経験を持つ大先輩たちに、 伝統の沖縄漁法や航海術を取材し、その知恵や経験からヒントを得る活動。②沖縄市の支援を受け、漁協と共同で行うサンゴの植え付け事業。これは食べられないサンゴを養殖して食べられる魚を集める活動です。モズク養殖からヒントを得て考案したサンゴの植え付け方法では生残率は3年間で70%と高成績を上げています。③小中学生に自分の生活と海とのつながりを理解してもらうための問答形式の講話やサンゴ礁を中心とした環境教育。④沖縄県出資の漁業者主体による海域調査への参加。⑤高齢漁業者に参加してもらうモノづくり販売などです。その多方面にわたる活動によってサンゴ礁の里海が復活すること、“海人”がその海で漁業を続けていくことを念じてメンバーたちの活動が続いています。

 

 

参考資料

海人(漁業者)が作ったNPO法人

 (第18回全国青年・女性漁業者交流大会資料より)