地域別事例紹介

中 国               

 

   

●浜を元気にする人

株式会社三見シーマザーズ 代表 吉村 栄子さん
株式会社三見シーマザーズ 副代表 塩屋 紀美子さん
山口県萩水産事務所 主任技師 柏村 直宏さん

三見シーマザーズが元気な理由
1  .皆が抱いた危機意識「何もしなければ地域はなくなる!」
2  .やりがいが原動力「喜んでくれる人がいる!」

▼漁協女性部有志が動いた
 日本海に面した山口県三見は萩市街から10kmほど離れた人口1300人ほどの小さな集落です。山口県漁業協同組合三見支店では、定置網、沖建網を主力とする漁業が行われています。高齢化が進む三見では(現在高齢化率46%)、18年前から山口漁協三見支店女性部が地元の高齢者を招いて「いきいきサロン」を月1回実施してきました。地元の魚や野菜を使った料理を楽しむ昼食会や健康のための勉強会、いろいろな娯楽を共に楽しむなど、高齢者と触れ合う活動で高齢化が著しく進む現状を目の当たりにした女性部のメンバーが感じたことは、「このまま何もしなければ地域はなくなる!」。そこで、平成18年、同じ思いを持つ女性部の42名が集まって三見シーマザーズを立ち上げました。1年間の学習期間を終え、平成19年から一人暮らしの高齢者への宅配弁当と惣菜加工の取り組みをスタートしました。地域のための活動のモットーは地産地消。安い価格でお弁当を提供するためと漁業収入に少しでも貢献するために、新鮮だが市場に出回らない雑魚と地元の朝市で売られる野菜を仕入れています。仕入れた魚が一番引き立つメニューを皆で考え、料理上手のメンバーが味付けに腕をふるいます。高齢者へのお弁当の宅配は週2回で年間700食。高齢者の方たちには「三見の家庭料理が食べられて嬉しい」と好評です。お弁当と惣菜は漁協やJAの購買、鮮魚店、道の駅などでも販売しています。お客様の反応は1日に400食の予約が入るほど大好評です。価格は500円から100円刻み。お客様の要望に応えて調理をしていることも好評の原因の一つです。

 

▼さらに地元を元気にする展開が…

 平成22年、萩市と長門市を結ぶ道路が建設され三見地区に道の駅「萩・さんさん三見」が完成し、レストラン出店の打診がありました。取り組み規模があまりに拡大するため、自分たちだけでやっていけるか不安でいっぱいになりましたが、「三見の活性化に繋がるのであれば、挑戦してみよう!」と出店を決意しました。売上が大幅に増加するので税理士に相談したところ、株式会社にすることを勧められ、漁協女性部の5名が 発起人となって株式会社三見シーマザーズが発足しました。現在、弁当・惣菜チームにそれまでの漁協女性部のメンバー13名が働き、レストランチームには、新しく地元で雇用された15名が働いています。車を運転できない方や60歳以上の方に地域で働く場所を提供することができ、従業員からも感謝されています。平成19年度に300万円だった売上は平成23年度には4400万円まで上昇しました。しかし、収支はプラスマイナス0。売上の多くを地元で仕入れる原材料費と人件費にあてているからです。三見シーマザーズの取り組みは利益を上げるためではなく、地域を豊かにするための取り組みです。三見に暮らす高齢者や漁協者、農業に携わる人々、そして道の駅を訪れるお客様、みんなの笑顔がエネルギーとなって三見シーマザーズの活動はこれからも続きます。


 

参考資料

海の幸で地域に笑顔と賑わいを

 (第18回全国青年・女性漁業者交流大会資料より)