地域別事例紹介

関 東               

子供と一緒に食育

▼「松輪サバ」を仲卸を通さず、漁業協同組合が直接市場に出荷
 神奈川県三浦半島の東側にある三浦市の松輪地区は、一本釣り漁業が盛んな地区で、現在150人ほどの漁師が漁をしています。中でも脂がのっておいしい「松輪サバ」は、東京・築地をはじめとして今注目されています。
 ここでは、サバは1年中とれますが、最も脂が乗るのが7~11月頃。このころの油の乗ったサバを「松輪サバ」とよび、夏休み前後に出荷のピークを迎えます。
 「松輪サバ」の特徴は、胴体から尾にかけて黄色い筋があり、丸々と太り脂がたっぷりのっています。このサバは、サバの最高級品として別名「黄金サバ」と呼ばれ、漁獲量が少ないため珍重され、高値で取引されます。松輪では、基準値に満たないサバは、松輪ブランドを守るために「松輪サバ」という名称では、絶対に出荷しません。
 サバ漁は江戸時代からの伝統ある「1本釣り漁法」です。回遊しているサバを1本ずつ釣り上げ、釣り上げたサバは手を触れずに針を外します。また、釣り上げた瞬間に船上で氷付けにして、輸送する際も魚の表面を傷めまないよう、砕氷ではなく、大きめの角氷を使うなど「松輪サバ」の品質を落とさないよう最新の注意を払っています。
 この「松輪サバ」をはじめ松輪の魚は、仲卸を通さず漁協を通じて築地をはじめとする市場に出荷するため、価格が高く設定でき、漁師のやる気にもつながっています。以前は、自分さえよければそれでいい、という風潮がありましたが、今は松輪全体の漁が盛り上がるように、組合内では定期的に部会を開き、サバの釣り方や出荷方法などを話し合い、各漁師のレベルアップを図っています。
 

▼多くの若者が家業を継いで漁師に、それが松輪の漁業
 全国的に漁師の高齢化が、進む中、松輪地区では家業を継いで漁師になる10~20代が多く、10~80代まで幅広い年齢の漁師が活躍しています。
 松輪小釣り研究会の鈴木さんもお父さんの跡を継いで自然な形で漁師の世界へ入ってきました。最近は、若い漁師の多くが、新たな事に挑戦しようという動きが目立つようになりました。
 その一つとして、平成14年には新鮮な魚介類を地元だけではなく、観光客にも食べてもらおうと漁協直営の施設「エナ・ヴィレッジ」をスタート。
松輪三崎港産の字魚刺身5種盛り 2,300円 1階は釣具の他に、松輪のサバの干物や海藻類を取扱う直売所、2階は松輪の漁師さんが大切に釣り上げた魚を提供する地魚レストランがあります。「松輪サバ」のシーズンともなると、お客さんが殺到し、週末は行列ができるほどの盛況ぶりです。「松輪のサバ」が有名になった事により、松輪自体の知名度が上がり、冬にとれるヤリイカなどの魚介類も以前に比べると高値で取引されるようになりました。

▼松輪のサバを全国区に!そして松輪ブランドの魚をもっと市場へ
 お隣の三崎のマグロに並び、「松輪サバ」が全国的に有名になるのも、そう遠くはありません。松本さんにお話しをきいたところ「今のところ活動は順調で、特に不満はない」とのことでした。
 しかし、今後のこととなると、地元で秋口に「サバまつり」ができないか?、今後も「松輪サバ」の更なるPRをするとともに、他の魚も「松輪の○○」のうような松輪というブランドを生かし市場で少しでも高値で魚が取引されるにはどうするかなど、いつまでも地域の漁業が栄え続くように、松本さん達は色々と思いをめぐらしていました。